梅の季節になると、思い出す。
2年前、父が末期の大腸ガンだと分かり、
父の住む徳島に、妹と通いはじめた5月。
退院して1か月。
抗がん剤治療を始めていたけれど、まだその頃は元気で。
裏山にたくさん実っていた梅を3人で収穫した。
梅は宝石みたいにキラキラしていて
まぶしかった。
初めて父から梅干しの作り方を教わった。
ウソみたいに美味しくできたんだ。
この世の素晴らしさを叫ぶかのような小鳥の声と、
はじけるような里山の緑を残しておきたくて、
まわりの景色の動画をiphoneでとった。
これが最後かもしれない
という予感は押し込めて。
生きていることの素晴らしさを思い出させてくれる
光と影の記憶。